2011年1月17日月曜日
空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む --角幡唯介--
世界最大の規模を誇るチベットのツアンポー峡谷、私はそこを探検しよう
と思っていた。人跡未踏と言われるこの峡谷の初踏査をやってやろうとい
う野心家は、この100年でざっと20人から30人はいただろう。だが
完全に成功した人間はまだいなかった。私はそれに挑戦するつもりだった。
日本を出発したのは2002年12月10日、単独行だった。
まだ、人類が立ち入っていない、秘境の探検行・・・
魅力的である。また、本の帯にも開高健ノンフィクション賞受賞!とか
茂木健一郎氏を初めとした推薦コメントがずらり、書かれている。
のでかなり期待して読み始めたが、、正直、物足りない。
あまり聞き慣れないツアンポー峡谷がいかに厳しい環境にあるのか
読者に分かりやすくするために、これまでの探検史をコンパクトに
まとめてあったり、近年起きた日本人の死亡事故が詳しく書いてあった
り、著者のツアンポー峡谷に対する熱い思いは伝わってくる。
が、どうして〜〜も、本の世界にどっぷり入れない。
文章力が沢木耕太郎や佐瀬稔といったノンフィクションの大家に遠く
及ばないのはしょうがないとしても、クライマー(探検家?)が書いた
本と比べても、『垂直の記憶』や『サバイバル登山家』よりも完成度
は落ちる。。(と思う。)
構成に凝りすぎているような気がして、もう少しシンプルにして
スピード感を出した方がよりおもしろい本になる気がする。
テーマは素晴らしいと思うので・・・
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