2010年5月10日月曜日

劔沢の死闘

ハア・・・ハア・・・
あつ・・い・

私は仲間と合流するため劔沢を上流に向かって歩いていた。
もちろん登りである。
ザックをドカッと降ろし『山と高原地図』で確認すると
夏のコースタイムで3時間となっていた。

おかしい・・
3時間など3時間前に過ぎている気がす・・・

テルモスを開け、水をゴクっと飲む。
残り少ないのが心配だ。
劔沢の雪を取り、テルモスに入れておいたが思ったより
溶けていない。
これでは幕営地に着く前に水が尽きてしまう。。

劔沢に入ったときは
劔沢デケーとか
劔岳かっケーとか
みんながつるぎ、ツルギっていうのも分かるな〜
と思っていたが、もはやそんなことはどうでもいい。

早く幕営地に着き、テントは張り、日陰で一休みしたい。
望みはそれだけだ。

立山は前日の吹雪が嘘のように快晴であった。
見通しがいい劔沢はあまりにスケールが大きく、距離感が
完全に狂う。『そこまで』行くのにものすごい時間がかかる
のに愕然とした。


赤丸の中がスキーヤー


また、影になるようなところもなく太陽光線が真っ白な雪面に反射し
容赦なく身体を痛めつける。ここは鉄板の上か
泳げタイヤキ君になった気分だ。


スキーヤーが気持ち良さそうに滑ってくる。
2日振りに会う人だ。思わず話しかける。
(私)『こ、こんにちは・・』
(相手)『こんにちは。いい天気ですね。どちらから』
『ちょっと下のほうから。疲れました。』
『どこ登るんですか?』
『(明日)源次郎を・・・』
『え!?、一人ですか?』
『いえ、今から仲間と合流します。』
『そうですか、でわ』

しばらくすると男女ペアが降りてきた。
空身で軽快そうだ。
(私)『こ、こんにちは・・・どちらに??』
(相手)『八ツ峰の偵察です。』
『これから天気は回復傾向ですし、いいですね』
『あなたは?』
『源次郎です・・』
『え、一人ですか??』
『いえ、明日、仲間と合流します。』


ハア、、ハア、、一歩ずつ登っていくしかない。。
今度は3人組だ。ベテランっぽい人が一人混じってる。

(私)『こ、こんにちは・・・どちらに??』
(相手)『真砂沢までです。あなたは。』
『劔沢のキャンプ場です。』
『え!?今からですか・・・??それはご苦労さんです。
明日はどこを登るんです??』
『源次郎です。』
『それなら真砂沢をBCにした方が・・それよりもお一人ですか?』
『いえ、キャンプ場で仲間と合流します。』
『それなら、なおのこと真砂沢の方が、、まあがんばってください。』

『はひ・・ありがとうございます。。』
3人組は去って行った。


しかし、なぜみんなして『源次郎』に登るというと『え?』という反応
をするのだろう??一人じゃないですよと言うとそりゃそうだろみたい
な顔もするし・・・

みんなから自分はどう見えているのか???
myカメラで自分を撮ってみた。



























うむ、



数々の修羅場をくぐり抜けてきた


タフな登山家




にはとても見えないな。


みんなが


暑くなったからといって早く土の上に


でてきてしまった、うっかり者のセミ


のようなハイカー




と思ってしまうのも無理ないかも・・・・・






さ幕営地まで後、少し。

ガンバ、ガンバーー

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